2020年10月10日(土)
中洲大洋劇場のレイトショーで「ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ」を観てきた。
題名がスティングの曲「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」っぽくて前から気になっていた作品だった笑。
主人公ジミー・フェイルズは、以前住んでいた「家」への思い入れというか思い込みが強い青年だ。そして、その「家」を不法占有してしまう。そんなとんでもないことをするのに、不思議と悪人として描かれないし、観ている側もジミーの悪事をスルーしちゃって、むしろジミーが正義なんじゃないの、なんて錯覚を抱かせる。
ジミーとその家族、友人たちの日々の出来事を中心にしながらも、人種差別や環境汚染といった世界全体の問題まで考えさせる深い作品だ。
「街中で過去と未来が入り混じる」という言葉が私には印象的で、その言葉は、作家柴崎友香の作品「その街の今は」の世界観と被っていたようにかんじた。
私はこういった映画好きだ。