にしむーのちゃらんぽらん日記

趣味の登山や寺社仏閣、映画のことなんかを備忘録的に記録しています。

【読書】太宰治「斜陽」

主人公「かず子」は29歳バツイチ子なし。母の死を境に、好きな男の子どもを宿すために行動開始する。好きな男の子どもを生みたいという気持ちは分かるのだけど、その相手が妻子ある男というのは如何なものだろうか。生活力のないかず子がどうやって育てていくの?愛人と不倫の違いこそあるのだろうけど、かず子の行いは「旧い道徳を破る」「恋の革命」には当てはまらないと思うのだけど……。作品発表当時の読み手はどう受け止めたのだろうか。上原への3通の手紙は、現代ではストーカーでは??

『貴族として存在し死んでいく母』、『自分の生き方を見つけて、それに猛進するかず子』。『葛藤して死んでいく直治』『世の中を斜に構える上原』の4者4様は面白い。