幼少期の家庭環境の影響で、戯けることでしか精神のバランスを保つことができない主人公葉蔵の、破滅まっしぐらの物語り。
人間だれしも酒、女(男)、薬に大なり小なり溺れるものだと思う。しかし、葉蔵は、この全てにどっぷり漬かり、学業放棄、女のヒモ、あげく金欠し、幾度となく安易に人生に絶望し、心中を計るし自殺も計る。最終的に精神病院に押し込められた。
堀木曰く色魔の葉蔵が、やたらキスをしたがるのには苦笑した。「キスで全ては解決できる。一発勝負!言ったもん勝ち後は知ったこっちゃない!」といった思考だったのだろう。
女のいないところに行きたい、と呟いた葉蔵であるが、彼は女なしに生きていくことはできないであろう。
おちゃらけて書いているけど、葉蔵に少なからず共感する僕は、それなりにうまく生きてこられているのかな?