2020年9月12日(土)
1961年公開だから、私が生まれる20年前の作品だ。
監督も知らないし、出演者の半数は存じ上げない。
この作品も、世話になっておるJAZZ喫茶のマスターからお借りした。
DVDのケースには戦争映画と書いてある。
しかし、本作では、戦争という過酷な場において、演芸を通じて故郷や両親への想いに浸る兵士達の人間臭さが描かれている。
そして、その演芸を提供する役者陣から創意工夫を凝らし、舞台をつくっていく有り様がこれまた人間臭く描かれていていると思う。
ときは昭和18年で場所は西部ニューギニア。日本軍には飛ばせる飛行機もなく、食糧に欠き、イモを自作して飢えを凌ぐ状況にあった。
そんな状況で、兵士たちを鼓舞するための劇団づくりを命じられたのが加東大介だ。
実際に、本作品は加東の実体験を元に作成されているから驚きだ。
本作は、戦争というものは「死」がおそろしく身近な存在となり、故郷や愛する家族が人間にとって何よりも大切なものだという事を改めて教えてくれる。
ただ若干セリフが聞き取りにくかったり、当時の演芸事情の話がチンプンカンプンだったけど、それは分かる人に分かれば良いだけだ。