2020年9月26日
映画「ミッドナイトスワン」(内田英治監督)を劇場で観た。
草彅剛演じるナギサはトランスジェンダー女性だ。彼の、いや彼女の日常は、小汚いアパートに住み、仕事はショーパブのダンサー兼ホステスで、性転換手術のためにお金を貯める日々だ。ホルモン注射を続ける辛さや、トランスジェンダー女性に向けられる野卑な視線や、差別などが至るところに描かれており、彼女に明るい未来が到来しそうな雰囲気はない。
ところが、ふとしたことから親戚の中学生のイチカと同居することになり、バレエを通じて二人の心の距離が近づく様は、見ていて微笑ましかった。イチカの母親代わりになることが、ナギサの生き甲斐になったのだろうか。
しかし、イチカが実母の元に引き取られていった後のナギサは悲壮すぎて見ていられなかったが、草彅剛の鬼気迫る演技は見応えあった。