高1の夏、今度は問題集で「星々の悲しみ」が現われた。凄い衝撃を受けた。
『おれは、犬猫以下の存在や・・』と何故有吉は言ったのか?という問題があった。
正解はいまなお知らないままだ……
そして、『その年、ぼくは162篇の小説を読んだ。』との同作の冒頭に触発されて
大学1年の頃は図書館に篭り162超えに挑戦した。
しかし、結果は、夏くらいに読書より面白い事(お酒や女の子)を知ってしまい頓挫した。
そんな中、一番ハマった作品は「流転の海シリーズ」だ。当時は第三部まで刊行されていた。
伸仁少年、松坂熊吾、房江、辻堂、海老原、井原……次から次へ個性的で魅力的な
人物がでてきてワクワクしたもんだ。
大学卒業して社会人1年目、追手門大学の宮本輝ミュージアム落成記念に同氏の講演会があると知り、応募して当選した。後にも先にも作家の講演を聴いたのは宮本氏だけである。作家さんはトークも上手だなあと感心した。
その後、しばらくは読書から離れてしまったけど、流転の海シリーズは新刊が出るたびに読んでいた。そして、ついにシリーズ完結のときが来た。
読んだ。
最期の最後まで、人間の中にうごめく業について考えされらた。
松坂熊吾、かくありなん。